以前の記事で床について述べましたが、リフォームをする際に重要な部分となるのが「壁クロス」です。賃貸をするにあたって、どのようにクロスを選べばよいのでしょうか。
500番と1000番クロス
クロスについて調べていると、500とか1000という数字を見かけます。これっていったい何なんでしょうか?
【500番クロス】
「量産品クロス」と呼ばれているもので、㎡あたりの単価が安いです。
機能性が無く、デザインの種類も限られていますが、クロスの厚みがあって下地の凸凹が目立ちにくく、施工しやすくなっています。
【1000番クロス】
「一般品クロス」と呼ばれているもので、㎡あたりの単価が高いです。
機能性(汚れ防止、表面強化、消臭、アレルギー抑制、吸湿性など)があって、目的によって使い分けができ、デザインも豊富です。
ただし入念な下地処理が必要だったり、継ぎ目が目立ったりと施工難易度が高く、経験や技術力が必要なものもあります。
賃貸に向いているのは
【基本は500番】
賃貸物件では、基本は500番のクロスで良いと思います。
通常はリフォームをして賃貸募集を行います。退去予定で募集することもありますが、リフォームする時点では、どのような人が入居するのかはわかりませんし、当然好みもわかりません。
それが男性なのか女性なのか、小さい子供はいるのか、タバコを吸うのか、掃除が好きな人なのか・・・これは入居するまでわからないことです。
不確定なことについてあれこれ悩むのは時間の無駄です。ですので「無難な柄で安い」クロスを使いましょう。
【部分的に1000番を使う】
基本は500番ですが、例えば結露が酷い部屋には吸湿性の高い1000番のクロスを張る等、機能を生かして部分的に使うのはよいでしょう。
アクセントクロスはどうなの?
アクセントクロスとは、壁の一部分に色柄の異なるクロスを張って空間を演出するテクニックです。この記事の写真のような感じのものですね。自分の部屋に張るのは楽しそうですが、部屋を借りる人の反応はどうなんでしょうか。
【部屋を借りる決め手にはならない】
はっきり言いますと、アクセントクロスを見て部屋を決めるというのはほとんどありません。むしろ「これはちょっと・・・」と失笑を買うことの方が多いです。
部屋を借りる人にとって重要なのは「新品」であることです。リフォームしたばかりのあの独特の部屋の匂いがしている部屋は、やはり好感度が高いです。残念ながらクロスの色柄までは見られてません。
【使うならコンセプトをもって】
ただアクセントクロスは壁4面同じ色にした時と費用的にも変わりませんし、空室が続くと何か策を打たねば・・・という気持ちもわかります。
そういう場合は何かコンセプトを決めて使うのがよいでしょう。
例えば「学生が集中して勉強できる部屋」「一人暮らしのOLが休日趣味に没頭できる部屋」等、入居する人をイメージして、お客さんを呼び込むのがよいと思います。
よくないのは「私はこの色が好きだから」「今年の流行色だから」「なんとなくかっこいいから」という自分目線で使うことです。
絞り込むとお客さんの範囲が狭まる・・・と考える人がいるかもしれませんが、それであれば普通の白いクロスは張ればよいことです。アクセントクロスを使うのであれば、絞り込むことで差別化を図り、存在を際立たせることが大事です。