売却依頼時の媒介契約はどれがよい?

不動産を購入、または売却を依頼する際に、不動産会社と「媒介契約」を結びます。ここでは売却時の媒介契約について考えてみたいと思います。

媒介契約とは

媒介契約とは、「成約時の仲介手数料(お金の事)」や、「どのような条件で広告活動を行うか(内容)」を事前に確認することによって、後のトラブルを防止するためのものです。

媒介契約の種類

『専属専任』媒介契約

・1社にしか広告を依頼できません。
・自分で買い手を見つけた時(例えば親戚で買う人が出てきた時)も、媒介契約を交わした不動産業者を通して売却しなければなりません。(つまり仲介手数料を支払う必要がある)
・不動産業者は売却依頼主に対して頻繁に、広告活動の内容を報告しなければなりません。(1週間に1度以上)
・「不動産流通機構」に登録する義務があります。(情報を他の不動産会社へ提供し、いち早く成約させる義務ともいえます)

『専任』媒介契約

・1社にしか広告を依頼できません。
・自分で買い手を見つけた時は、直接その人に売却することができます。(媒介契約を交わした不動産業者を通さなくてもよいので、仲介手数料がかかりません)
・不動産業者は売却依頼主に対してそこそこの頻度で、広告活動の報告しなければなりません。(2週間に1度以上)
・専属専任と同様に「不動産流通機構」に登録する義務があります。

『一般』媒介契約

・複数の不動産業者に広告を依頼できます。
・自分で買い手を見つけた時は、直接その人に売却することができます。(『専任』とおなじ)
・不動産業者は売薬依頼主に対して、広告活動の報告をする義務がありません。
・「不動産流通機構」に登録する義務はありません。

どの媒介契約がよいか

結論から言うと『一般』媒介契約です。理由は以下のとおりです。

【不動産業者の危機感を煽る】

専属専任の方が「頻繁な報告義務がある」、「1社しかお願いできないので責任が大きい」ということから、頑張って活動をしてくれそうな気がします。

ですが複数の業者に依頼することによって、それぞれが「先に売らなければ」という危機感を持って行動します。専属専任にして担当者にプレッシャーをかける暇があれば、複数の業者に依頼して危機感を煽った方が、確実に効果がありますよ。

【複数の広告媒体に掲載される】

不動産業者によって情報を掲載するサイトが違うということを、以前の記事で触れたことがありました。
サイトに限らず、不動産会社によって広告の出し方は違ってきますので、多くの顧客の目に触れるようになります。

何社に頼むのがよいか

ポイントを押さえて2~3社に絞るのが良いと思います。

a.大手の不動産業者
テレビCMなどで見かける大手の強みは、なんといっても販売網です。顧客が全国におり情報も管理されているので、条件が会えば情報を出す前に決まる・・・ということもあるでしょう。

b.その物件が得意な不動産業者
その会社のホームページを見ていると、それぞれの特徴、強みがわかると思います。
例えば投資用物件を売るのであれば、投資用物件を多く扱っている会社の方がそれに合った顧客も抱えているでしょうし、知識も豊富でよりよいアドバイスもしてくれます。

c.物件の近くにある不動産業者
「地の利」ですね。物件の近くにある不動産会社は当然その地域に詳しく、案内もスムーズにいくので、買い手との交渉もスムーズ行ってくれます。

以上それぞれから1社ずつお願いするのがよいでしょう。