投資不動産の情報サイトを見ていると、必ず「利回り〇%!」という数字を見かけます。さらに「表面利回り〇%」、「実質利回り〇%」という言葉もあります。
区分マンション投資をする上での一つの目安となるものですので、簡単な見方とポイントを説明したいと思います。
表面利回りと実質利回り
【表面利回りとは】
「表面利回り」は家賃収入の年総額を物件価格で割って%にしたものです。
表面利回り=年間の家賃収入÷物件価格×100
【実質利回りとは】
「実質利回り」は表面利回りから、ランニングコスト(管理費や固定資産税等の定期的にかかる諸経費)や購入時の費用(仲介手数料や登記費用)を差し引いて、実質の利益を表したものです。
実質利回り=(年間の家賃収入-ランニングコスト)÷(物件価格+購入時の費用)×100
【どれだけ違いがでるか?】
「表面利回り」と「実質利回り」では、同じ条件の物件でも数字に違いがでてきます。
(例)
・物件価格~500万円
・購入時費用(仲介手数料、登記費用等)~50万円
・年間家賃収入~60万円
・年間ランニングコスト(管理費、固定資産税等)~12万円
表面利回り=60万円÷500万円×100=12.00%
実質利回り=(60万円-12万円)÷(500万円+50万円)≒8.72%
こうして見ると、結構違いがでるのがわかりますね。
利回りについての注意点
不動産情報を見ていると、表面利回りを表示している不動産会社もあれば、実質利回りと書いている不動産業者もあります。
【表面利回りの表示はズルい?】
上記の計算の通り表面利回りの方が高くなるので、お客さんの目を引きやすくなります。「ちょっとズルいんじゃないの?」って思う人もいますし、実際に目を引くためにやっている会社がほとんどでしょう。
でも一概にこれが悪いというわけではありません。
実質利回りを計算するために必要な「ランニングコスト」は、管理費・積立金や固定資産税といったものですが、これは途中で変更になる可能性があります。また購入時の諸経費については、例えば司法書士に登記を依頼した時の報酬は、その司法書士によって変わります。
ですので「このような不確定な数字は計算に入れない」という観点からすると、表面利回りで表示するのが無難なんですね。
【実質利回りで表示している会社は誠実で信用できる?】
一方数字が低くなる実質利回りを表示している会社は、誠実で信頼できる会社かといえばそうでもありません。実は実質利回りと書いてありながら誤った計算をしている会社がほとんどだからです。
実質利回りを出すには、「ランニングコスト」と「購入時の諸経費」を考慮して計算しますが、多くの会社がランニングコストの一部である「管理費・積立金」のみを計算に入れています。つまり、
?実質利回り?=(年間の家賃収入-ランニングコスト(管理費・積立金・固定資産税))÷(物件価格+購入時の費用)×100
という計算で表示しています。ですから本当に「実質」か?と言われれば違いますので、注意が必要です。
【利回りはあくまで「目安」!!】
以上のように利回りといってもいろいろな計算方法がありますし、さらに以前の記事で述べた「隠れたランニングコスト」の問題も出てきます。
ですから利回りが高いからとすぐに飛びつかず、実際にどれくらいの収入が入って、どれくらい手元に残るのか?というのをイメージしなければなりません。
利率ベースで考えるのではなく、金額ベースで考えることが大切です。